東京高等裁判所 昭和49年(ネ)467号 判決
控訴人は、被控訴人ら多数の債権者から法律上の責任を追及されることを予想し、専らこれを事実上阻害する目的で事前に行方をくらまし、更にその後の過程で、客観的に被控訴人らが最終的に訴提起の手段に出ることもあり得ると考えられる事態のもとにおいて、依然右行方をくらました状態を継続し、その結果、やむなく前示のように原裁判所の訴訟手続が公示送達によって進行したものであることが明らかである。なお、控訴人は被控訴人らが控訴人に対し本訴係属の事実を殊更秘していたと主張するが、これを認めるに足る証拠はない。してみると、仮に控訴人が原判決の言渡のあったことを昭和四九年二月二二日まで知らず、よって控訴期間を遵守できなかったものであるとしても、これをもって「控訴人の責に帰すべからざる事由に因る」ものと認めることは到底できない。
(久利 舘 安井)